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『オーロラの彼方へ』

清水 節
text by Takashi Shimizu
成功の秘訣はジャンルの融合
 タイムスリップものは「時の壁」をメンタルな距離に喩える名作が多いけれど、人間がタイムトラベルすることなしに、ここまで時空超越ものの感動を高めることに成功したファンタジーもめずらしい。

 その秘訣は、ジャンルを横断させ、融合させることにあった。ここでのメンタルな距離とは、父と子、古き良き昔と閉塞的な今の対比。街の事件といえば、せいぜい火事くらいで、消防夫がヒーローだった父の時代、未来は輝いていた。そんな時代に、唯一影を指す出来事として登場するのが、今の世相を彷彿とさせる連続猟奇殺人。時空を超えて、それを阻止しようとするアイデアと、視覚的に凝らない映像処理がほほえましい。

 時空SFに、後半はサイコ・サスペンスが絡み、ベースには家族の愛を据えて、見事なハリウッド・エンターテインメントの出来上がり! 荒唐無稽な設定とめちゃくちゃパラドックスが気になるつくりなのにプロット運びが絶妙で、しかも感動までさせてしまう。なぜならこれは、幼少期に原点を見い出し、自立心としての父性を描く、SFにしてファミリードラマの秀作でもあるからだ。演出力よりも、脚本家の力が語られるべきドラマである。
FREQUENCY
監督 製作:グレゴリー・ホブリット
製作:脚本:トビー・エメリッヒ
出演:デニス・クエイド
   ジム・カビーゼル
2000年アメリカ
1時間58分
配給:ギャガ=ヒューマックス
上映中



http://www.aurora-jp.com/


 

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