ずばり結論からいうと、大変観応えあるSF映画だ。ところが試写を観てから、かれこれ20人くらいの知人に「素晴らしい面白さだ。早く観たほうがいいぞ」と教えてやったが、誰も信じてくれない。私などは“未知の惑星に不時着した宇宙船のクルーが、恐ろしい怪物の群れに襲われる”という内容を聞いただけで、100点満点のうち70点は与えてしまう。子供の頃にTV『巨人の惑星』から受けたトラウマのせいか、謎の惑星モノに異常に惹かれてしまうのだ。そんな私の純真さを、心の狭い周囲の人々はなかなか理解してくれない。
暗闇の中でしか生きられないため地底に潜んでいるエイリアンが、何十年ぶりの皆既日食で地上に現れるというご都合主義な設定がまず見事だ。すかさず、わずかなライトや火を灯してエイリアンとの微妙な距離を保とうとする人間たちの応戦ぶりも迫力満点。ここぞとばかりに挿入されるロングショットでは、真っ暗闇のスクリーン中央に、“光”を携えた人間の周りを無数の化け物が取り囲んでいる光景がボーッと浮かび上がる。絶妙なショック効果であると同時に、SFXの経費を節約する意味でも巧みな演出である。そのぶん気合いの入った日食シーンの映像は、超大作並みの風格を持つ美しさだ。
そういえばデヴィッド・トゥーヒー監督の前作『アライバル 侵略者』のときも、面白いと主張したのに誰も信じてくれなかった。こうなったら、違いのわかるスロウトレイン読者諸氏だけが頼りだ。つまらなかったらオレが料金を返してやるぜ、と豪語するほどのお金は持ってませんけどね。 |
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