人間、姿が見えなくなったら、何をやらかすか? 当然、ハレンチ行為だ! と言わんばかりに、持ち前の過激なセックスと暴力で撮り上げたのがバーホーベン監督。しかし、この映画に関しては、透明人間を演じたのがケビン・ベーコンだから成功した。向かいのアパートに住むイイ女の部屋に入り込んだ透明人間ベーコンは、見えないことをいいことに痴態の限りを尽くす。透明なのに彼の表情から手足の筋肉のイヤラシイ動きまで手にとるように見えるのが気持ち良く、ゾクゾクさせる。最新コンピュータによるデジタル技術の粋による賜物と言ってしまえば簡単だが、ベーコンという俳優がどんなキャラかを知っている人ほど、この映画は楽しめる。
『ワイルドシングス』(98)で自信たっぷりに全裸を披露した年齢不詳のこの色悪俳優は、ついに代表作を作った。同時に、ドラキュラのクリストファー・リーやフランケンシュタインの怪物のボリス・カーロフのように、決定的な役に欠けていた透明人間に彼の名が加わったことで、映画史的な重みを増したと思う。なにしろベーコンが演じたのはマッド・サイエンティストなのだから怪奇映画の王道の条件にも適う。美女に迫るHっぽさもドラキュラ役のリーに負けていない。文句なしに素晴らしい。 |
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