

|
| |
 |
 |
| 『マザーレス・ブルックリン』
ジョナサン・レセム |
|

金子裕子
text by Yuko Kaneko |
| ≫フィンチャー監督で映画化決定!? |
 |
ジョナサン・レセムは'64年生まれの活きのいい作家だ。94年の長編処女作『銃、ときどき音楽』は“近未来ハードボイルドの新風”として絶賛された。彼の作品の魅力は、テンポのいい独特の語り口、そしていかにも現代の気分を感じさせてくれるキャラクターと、彼らが生きる乾いたハードボイルドな世界だろうか。
そんなレセムの大ファンだというエドワード・ノートンが、早速、彼の第5作目にあたる『マザーレス・ブルックリン』の映画化権を手に入れたのも、納得がいく。なにしろ、ノートンが演じたいという主人公ライオネル・エスログが実にユニークで魅力的な男なのだ。孤児院育ちの彼は子供の頃から図書館にこもり本を片っ端から読んでいる博識派。しかし、その一方で感情をコントロール出来ずにチック症に悩んでいる。しょっちゅう激流のように口からこぼれだす汚い言葉や叫びに彼自身が悩まされているのだ。そんなライオネルは現在、無免許の探偵として働いている。しかし、父とも兄とも慕うボス、フランク・ミナが殺されたことから復讐を誓う。
「いま僕が脚本化しようと悪戦苦闘中なんだ。やっぱり、本のテイストを損なわないように脚本を書くのは、本当にむずかしい。でも、2001年には形にしたい。監督はすでにデヴィッドに頼んであるんだ」
 |
|
| |
ハヤカワ文庫
940円(税抜き) |
 |
|
|
『ファイト・クラブ』の出演で親交を深めたデヴィッド・フィンチャー監督だ。確かに小説の世界観を映像化するには、彼がいいだろう。しかし、物語をまとめる力の弱いフィンチャーでは、本で感じるカタルシスが出せない気もするから心配だ。そう伝えると「よし、帰国したら、日本のジャーナリストのせいで、おまえはクビだって伝えるよ(笑)」とノートン。冗談ではなく、本当に、他のもっとオトナの監督に映画化して欲しいのだが、きっとフィンチャーでいくんだろうなぁ。 |
|