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『三分間の詐欺師 予告篇人生』 佐々木徹雄

江戸木 純
text by Jun Edoki
元祖映画オタク少年は“騙される快感”を創造した
 映画の楽しさや面白さは広告や予告編を見て、期待に胸踊る瞬間からはじまる。つまり、それは気持ち良く騙される快感といっても過言ではない。その快感を着火させ、映画を成功に導く最後の鍵を握るのは、監督でもスターでもなく、配給、宣伝の担当者や予告篇の作り手である。

 これは、日本における外国映画の予告篇製作の草分け、佐々木徹雄氏が、昭和初期から現在まで、まさに映画一筋の活動屋人生を振り返る、映画評論家にも撮影所の人間にも絶対書けない、貴重な外国映画配給業界ドキュメント。
 
 
パンドラ/現代書館 \2,000

http://www02.so-net.ne.jp/~pandora/index.html
元祖映画オタクだった少年が、ストレートな情熱で業界に入り込み、配給会社での予告編製作の担当を経て、日本初の予告編製作会社を設立するまでの個人的な経歴と共に、その背景に戦前〜戦中〜戦後の洋画公開史が語られ、淀川長治、野口久光、川喜多かしこ、南部圭之助といった、映画界の伝説的人物たちの粋で豪快なプロの仕事ぶりのエピソードが次々と登場する。映画ファン、および映画業界人必読&感涙必至の1冊だ。

『三分間の詐欺師』。素晴らしい題名だ。でも、登場する作品が名作ばかりで詐欺師たるいかがわしさがちょっと希薄なのも事実。予告編の紹介は『群衆』『第三の男』『刑事』だけだが、欲をいえば、例えば伝説の『ヤコペッティの世界残酷物語』の予告編がいかに扇情的だったかなど、もう少し佐々木氏が手掛けた予告編の具体例が欲しかった。


 

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