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『アート・オブ スリーピー・ホロウ』 ティム・バートン/アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー

清水 節
text by Takashi Simizu
セットならではの空気感を追体験
 いまや究極のオタクのゆく末は両極端。グローバルに通用する才能を発揮するか、でなけりゃヤバイ事件を引き起こすか。

  両者を分け隔てるものは、やはりバックボーン。前者の代表格と目されるティム・バートンも、ただのオタクじゃない。なにせハリウッド映画人養成ギプス的芸術学校カルアーツから選抜されてディズニー・スタジオ入りしたくらいだから。けれど、月と太陽の差ほどあるディズニー・タッチとのテイストの違いから、まぶしすぎて「日向」の居心地が悪くなったバートンは、程なくスタジオを飛び出した。当初はオタク性全開のキワモノっぽさを強調していたが、最新作では「日蔭」に生きる者ならではのダークなアート性を押し出して来た。
 
 
ソニー・マガジンズ ¥3000

http://www.so-net.ne.jp/sonymagazines/

  そのメイキング本にしてシナリオ本である本書は見応えたっぷり。テキストとヴィジュアルがオールカラーで贅沢にレイアウトされている。バートン・タッチとおぼしきイラストが少ないのは残念だが、さまざまなタッチのストーリーボードが混在する様は、映像の生成過程をヴィヴィッドに伝える。この映画から醸し出される空気感はセットならではだ。撮影・美術・衣裳が一体となった「セット芸術」とまで呼びたいほどのゴシック・アートが堪能できる。


 

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