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2001.9.3 UPDATE

夏のミニシアターのヒット作
その人気を支えた意外な客層
中村通伸(編集部)
text by Michinobu Nakamura
 
『チアーズ!』
シネマライズ他にて公開中
 
 全国公開された大作に比べ、話題性が乏しかったこの夏のミニシアター作品。だが、決してヒット作がなかったというわけでもなく、以前にも取り上げた『テルミン』など好調な作品が多かったことは事実だ。そんな中、ミニシアター激戦区・渋谷では面白い現象が起こっている。

 まずは女子中高生を始めとする若い女性が大挙して押し掛け、好成績をあげているのがシネマライズで上映中の『チアーズ!』。作品の評判が高いため男性の映画ファンも足を運んでいるのだが、女子高生パワーに押され肩身の狭い思いをしている状態だという。ところがこれが夜になるとレイトショーの『ビヨンド・ザ・マット』で劇場の雰囲気が一変している。WWFというアメリカの超人気プロレス団体の裏側をとらえたドキュメンタリーの本作は、WWF自体の認知がまだ広く浸透していないため、レイト上映となったのだが、連日満員の状態という予想外の人気に。上映の入替え時には『チアーズ!』を観終えた若い女性と『ビヨンド〜』の入場を待つ格闘技ファンの男性の行列が交錯する、珍しい光景が見られる。この2本は共に従来のシネマライズのカラーと比べると異色なものだが、予想を上回る好結果となった。このように固定イメージにとらわれず作品選定を行い、ヒットにつなげているところに同館の人気の秘密があるのだろう。

 他のヒット作で目につくのがシネクイントで上映中の『けものがれ、俺らの猿と』。こちらも客層のほとんどが10、20代という状態なのだが、音楽、演劇ファンと思われる若者たちの姿が目立つ。特に本作に出演している鳥肌実のファンが多いのか、彼の出演シーンになると映画というよりもライブを観ているような観客の反応が出ているほどだ。

 ミニシアターの観客=アート系映画ファンというイメージはもうひと昔前の話であり、最近の観客は公開規模にとらわれずに作品を選ぶことは事実。近年のヒット作が、ドキュメンタリー、児童文学の映画化など決して堅苦しい内容のものばかりでないことが、それを証明している。

 


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