Back Number
2001.6.8up
2001.6.1up
2001.5.25up
2001.5.18up
2001.5.11up
2001.5.2up
2001.4.26up
2001.4.19up
2001.4.12up
2001.4.1up



2001.6.15 UPDATE

俳優よりも監督がスター?
観客の満足度も高い『みんなのいえ』
中村通伸(編集部)
text by Michinobu Nakamura
 
『みんなのいえ』
日劇東宝他全国東宝邦画系にて公開中
 サマー・ムービーの先陣を切って6/9に公開された『ハムナプトラ2 黄金のピラミッド』が期待通り、『ハンニバル』を上回る今年最高のオープニング成績を残している。一方、同日公開作で『ハムナプトラ2〜』の次に注目を集めていたのが三谷幸喜監督第2作の『みんなのいえ』。こちらは初日、2日目の成績が三谷監督のデビュー作『ラヂオの時間』(配給収入4億円)の186%を記録する好スタートとなった。

 客層も小学生から50代まで幅広く、邦画としては珍しい展開に。午前中は高めの年齢層、午後からは若い層が多いという盛況ぶりだ。ヒットの理由としてまず挙げられるのが三谷幸喜作品への信頼度が高かったこと。『ラヂオの時間』は公開時に大ヒットはしなかったが、その面白さは口コミで徐々に浸透。そのため、今作への期待が高くなったと思われる。さらに客層が幅広いのは『古畑任三郎』などのTVドラマで、三谷作品に触れている人が多かったからだろう。上映後のアンケートでは100%近い人が「面白い」と答える驚異的な結果となっているので今後の人気の広がりも期待できる。その三谷人気を踏まえた上での宣伝展開もユニークだった。三谷自身がTV番組など各メディアに積極的に露出し、映画誌(一冊丸ごと『みんなのいえ』の特集をした媒体もあった)の表紙も監督の顔が飾った。このように出演者よりも監督を前面に出す宣伝は邦画では異例のこと。監督自身の個性的なキャラクターが受けて、映画に関心を持った人も多かったようだ。

 『ホタル』がヒット中の高倉健もスターとして貴重だが、スター監督の存在はそれ以上。三谷監督が「年に1度しか映画を観ない人に観てもらいたい」と語る通り、あまり映画(特に邦画)を観ない人も今回は足を運んでいるのだろう。アニメにおされ気味の邦画界だけに三谷監督には今後もコンスタントに撮り続けて欲しいものだ。

 


「スロウトレイン」に掲載の記事・写真・カット等の無断転載を禁じます。© Works m bros.