まっ、ウィットを見にいったわけだ。タイトルは、ちょっと思い出すね、3日前のことだから覚えていると思ったんだが…。
おっとっと! なんだこれは、というのがオープニングまでの強烈インパクト。出るわ、出るわ。リンチ系が。
雨中の夜中、寂しい山道を車で走る一人の女の子。これがナターシャ・グレッグソン・ワグナー(『ロスト・ハイウェイ』)、ガス欠だやばい。
あっ、よかった、ガソリン・スタンドが。怪しい顔のサービスマンが登場。見れば、おお、ブラッド・ドゥーリフ(『デューン/砂の惑星』、『ブルーベルベット』)ではないか! カードがうまく機能しない、カード会社から電話なので、オフィスにきてほしい。あやしいぜ。レイプだ、吊るしだ、カンニバルだ。否応にも期待は高まるではないか。トビー・フーパーなら、そっちへいっちゃうわけだが。ワグナーが入るとドゥーリフはガチャリと錠を。やっぱりね。レイプだ、吊るしだ、カンニバルだ。
当然、電話などカード会社からかかってきているなんてことはない。ワグナーは男を痴漢撃退スプレー攻撃、窓から脱出、クルマに戻り急発進させる。追う男。男は叫ぶ。「オレもお前もリンチ系じゃないか。一回ぐらいいいじゃん!」、そうではなかった。ドゥーリフはこう叫ぶのである。これをリンチ系互助精神というのか。
「後部座席に誰かかくれているぞ――!!」
いやいや楽しかったな。あ、思い出した、タイトルは『ルール』だった。原題は「アーバン・レジェンド(都市伝説)」、『消えたヒッチハイカー』(新宿書房)とか『体内の蛇/フォークロアと大衆芸術』(リブロポート)などでお馴染みとなった、まあ、トイレの花子さん的、口承恐怖話をネタにいろいろひねりを加えたキャンパスものである。もっとも遊んだとおぼしいのが、キャスティングで、『スクリーム2』から、レベッカ・ゲイハート、『ハロウィン4 ブギーマン復活』からダニエル・ハリス、ホラー・ヒロインを集結させ、「都市伝説」(この言葉固いな、「こわい噂話」にしよう)を大学で教えるのが、フレディ(『エルム街の悪夢』)役、ロバート・イングランドというのも怪しくて笑える。
彼の講義に出てくるのが、もっとも有名な、子供を2階のベッドルームに寝かしつけ、1階におりて休息しているベビー・シッターにしつこくかかってくるイタズラ電話を警察がつきとめると、それは同じ家の2階からだったというもの。赤ん坊が起きて電話していたわけだ。ちがうよね。キミも無言電話注意してね、お父さんだったりして。ちなみにこの「こわい噂話」は『夕暮れにベルが鳴る』という傑作映画でとりあげられた。『シティロード』にライター駆け出しの頃、映画評を書いた記憶があるから、相当の昔だ。
キャンパスの女性警備員が、パム・グリアー・マニアで彼女の『Coffy』を見ながら、セリフを反芻し、銃の練習をするというマニア向けシーンもある。
