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#9 性格がまろやかになったおれが選ぶ今年の映画ベスト1

#8 柔道金世界一、ナンボのもの。オレだって「獣道」金メダルの滝本誠!

#7 ハンニバル・サマー・イン・フィレンツェ

#6 “激しい雨”滝本誠ライブIN東京大学−

#5 出るわ、出るわリンチ系が レイプだ、吊るしだ、カンニバルだ

#4 まだまだリンチの原稿は書ける。以前に何を書いたか忘れているもんね。

#3 “赤い部屋”の歌手ジミー・スコット 極上ライブは魂の血で真っ赤に染まった…

#2 乳頭をおいしくいただくことができた 今日という、すばらしい一日。

#1 NKホールでレズナーは言った。「サンキュー・ベリーマッチ」
 




2000.04.01 UPDATE

滝本 誠
text by Makoto Takimoto


乳頭をおいしくいただくことができた
今日という、すばらしい一日。


 しかし、引っ張ったものである。アスキーの河田氏から依頼された「恋愛映画20選」という原稿。申しわけない。松久淳は一月あたま、柳下毅一郎ですら三月あたまには入れたというではないか。

 彼が責任編集のフィルムメーカーズ(10) 『ティム・バートン』への原稿も遅れたが、後ろから走ってくる奴がいっぱいいて(さすが映画秘宝チームだ)、わりと先頭グループだった。いばっていいのではないだろうか? ところが恋愛のほうは圧倒的な遅れである。後はいるのか? ミルクマン斉藤は? しかし小生に「恋愛もの」を頼むって度胸があるよな。ヤクザに「殺し方」を聞くようなものである。というようなハズした台詞をうんうんと聞いてくれる奴がだれもいないのが、おいらの不幸である。急に下町生まれになっちまったが。

「恋愛映画」ときくとまず、映画に悪くて試写会に足を運べない。試写状も遠慮がちに届く。ただ「恋愛」もさじ加減で「変態」へ傾斜もするし、恋が変になる「変愛」へと駆け登ることもあるから油断はならない。というか、あらゆる映画のどこかに「恋愛」は潜んでいて、どこかをブローアップすれば「恋愛」映画となりうる。で、この逆襲原稿のまえに片を付けるべく書きはじめて3時間、昔話であっというまに10枚、肝心のことはあまり論じることなくいつもどおりに書きおえてしまった。昔話でわかったのは、中学から高校時代にかけて惚れ込んだ(「作家主義」?)、篠田正浩の松竹大船時代の何本かの作品、特に和製ノワール『乾いた花』で「現在」が形成されていることだ。なぜ、若いコが好きか、の理由はすでに高校1年で決定づけられていたようなのだ云々・・・。それについてしか書かなかったような気がするが、ほんの数時間前の原稿なのにもう覚えていない。

 ここからは会社で書いているのだが、今日はすばらしい日となった。乳頭をおいしくいただくことができたのである。

 いいかね、君、映画の乳首というタイトルの本を出して以来、業界では乳首のタキヤンという尊称をたてまつられたが、だれもはーいと乳首を見せてくれた宣伝ウーマンはいない。それって普通 宣伝業務の一環ではないだろうか?

 えっ、やばいこと書いてる? 最近よくわからないのだよ。何を信じていいのか? 警察も病院も。そういう話ではないな?

 ともかく悩める小生に「乳頭」がさしだされたのである。金野さんという女性ライターから。金・・から乳頭。ジェンダー理論をゆるがすメタファーのような・・・。何を信じていいのか?

 ひっぱたかれそうなので、ひっぱらずに書くと、乳頭温泉みやげの「乳頭饅頭」をくれたってこと。形状はまじめに乳頭なのである。色ぐあいが「黒人系」だが。ベルトルッチの『シャンドライの恋』でヒロインがピアノの音についグリグリ自分でいじってしまうあの「乳頭」だ。グリとグラ。

 モーニング娘。の安倍なつみってどこか顔がここ1、2か月で変わったような気がするが。おなかもプンプクじゃん。と時事に興じていたときに、金ちゃんからお茶と乳頭がでてきたのである。軽く髭ですりすりしたあと、おもむろに舌先で形状確認・・・おいしい? とはいえないが、まずくもない。食べながら机の上の郵便物を舌先確認・・・すると、苦い味が。

 梱包を解くとその原因は『ルート9』のビデオとわかった。カイル・マクラクランが保安官補佐ででている。10年前、来日時(『ツイン・ピークス』)、会ったカイルは30代なのに、学生のように若かった。「若」と「苦」はほんのわずかの差だぜ。若いカイルは苦くなった。ただいい「苦み」になったかどうかが、俳優がサバイバルできるかどうかの分かれ目である。若くても苦かったマルコビッチならどうころんでも心配ないが、カイル系の不思議美男は「苦さ」をどう打ち出すのかが、『ルート9』で見えるのではないか? 帰ってさっそく見たら、なかなかいい。『シンプル・プラン』のようにギャングのあぶく銭を手にした保安官たちの疑心と裏切りの物語といっていいが、スモールタウンの閉塞もよくでて小品ながらザラザラ感がここちいいのである。

 メールがコムストックから入り、デイヴィッド・リンチ『ストレイト・ストーリー』が全国90館公開とか。すごいじゃん、単館イメージが強いリンチが、全国のおじいちゃん、おばあちゃん、若造まで全国津々浦々にコンニチワ、これでリンチにエンターして、ロスト・ハイウェイへ、ブルーベルベットへとクリック、地獄へ落ちるのだよ。ははは。リンチ・ファンがワラワラと湧きだしてほしいな。ファーンズワースが散歩中、盗まれたオスカー像を一個すでにゲットした噂もある(オレが発信した)。
(C) illustration by Gogh Imaizumi



今回の押収物件:
秋田銘菓 乳頭の夢

筆者が大事に編集部に運んでくれたのに満員電車でムギュ。ゆえに少しつぶれている。


 

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