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第1回プロローグ
第2回 『僕はAVをバカになどしていない。“スクリーン主義者”なだけだ!』

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名作をモチーフに2人の青年の純愛を描出
カラッとした渡邊演出が冴えるゲイ・ムービー


『もっこりSEXYBOYS』


© オーピー映画
 
 
 正に“3日映画”だ。これこそ現在のピンク映画の王道を行くものだ。もしも撮影が2週間あれば、秀作になったかもしれないのにと思いつつ、例によっての疾走感あふれる渡邊演出を楽しんだ。なにしろこの人、人物の場所の位置とか、時間の推移とか、普通の人が描きそうな説明描写を必ずしも好まない。勢いですっ飛ばす。豪快なのだ。知らない人が見れば疑問に思うような穴だらけだが、カラッとしているから気にならない。気にする方がどうかしていることになる。そんな人が撮るホモ映画なのだ。(文芸坐で見てみたいよ)

 映画の骨格を成すのはビリー・ワイルダー監督の名画『アパートの鍵貸します』。知っている人が見れば、誰が見ても分かる。と言うことは、先の筋書きの想像もつこうと言うものだ。要はゲイ映画専門館の客の○ンコを立たすことだ(自分は立たなかったけどね)。渡邊監督の演出はカラッとしているからこそ、生々しさ(リアリズムってか)がない。出だしの主人公のアパートで繰り広げられる上司の課長と得意先の顧客のむさくるしいホモ・セックスは、主人公が見ている目前で展開されるショッキング・シーンであるのにいやらしさがない。本当に不思議だ。2人(3人か)にとっては初めての逢瀬ではないのに、道具というものを持っていない。ツバを付けてのアナル挿入は不用心だ。ラッシュなり、ゼリーなり、ローションなり(笑)、その他もろもろの七つ道具を用意すれば客はもっと笑うと思う。常連俳優のささきまことの熱演も空転したようで残念だった。

 さて、注目すべきはタイトルのSEXYボーイズを演じる今野元志と森田真光の2人。共に舞台俳優で、映画はこれがデビュー作の新人だ。ストレートなピンクは女優が売り物なのだから、ゲイ・ムービーなら当然、男優が売りとなる。今野がジャック・レモンを、森田がシャーリー・マクレーンを演じていると書けばピンとくると思うが、これは2人の哀しくも美しい青春ラブ・ストーリーである。不自然すぎるほど延々と川原で愛と友情を育まされるのも(はっとするほど綺麗な星空も出る)、無味乾燥な都会の大人の男女を描いたモノクロの『アパート〜』と違ってこちらはカラー。将来、周囲の祝福を得られるとは思えない2人

© オーピー映画
 

『もっこりSEXYBOYS』
監督:渡邊元嗣
脚本:山崎浩治
出演:今野元志/森田真光/池島ゆたか/ささきまこと/佐々木共輔/横須賀正一/しのざきさとみ
2001年日本
1時間1分
提供:オーピー映画
上野 世界傑作劇場にて8月4日より公開予定

の青年のつかの間の純愛を描くのだから、たとえ不自然でもキラキラ輝く川原でのラブは、あとで考えれば妥当な選択に思えた。

 2人の演技はまだ固い(時間がないから仕方ないのだが)。今野はもっとクールな役が似合う気がする。上司の前に出ても笑顔を見せているのはどうかと思う。権力をカサに着た中年男たちの慰みものになる森田はゲイの匂いがプンプンして役作りは成功している。体は筋肉質なので“狙われる”のは当然!(フレッド・マクマレー役の池島ゆたかに得意の指テク で森田が責められるシーンは本作唯一の生ツバものだった) しかし、本人は完璧にストレートなので、今後は同様の役柄はないだろう。彼の映画次回作は松田勝主演のアクションもので、ヤクザの一人を演じるらしい。注目してみよう。






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