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加藤久徳
text by Hisanori Kato |
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第11回
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『愛染恭子むさぼる未亡人』/
『OL性告白 燃えつきた情事』/
『こんな、ふたり』 |
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ピンクとは違う分野へ進出し精進する俳優たち
今年になって、1月は長編、短編込みで74本を見たが、実はピンクを2本しか見ていない。2月に入って、やっと4本を見たというところだ。京橋フィルムセンターの「イタリア映画大回顧」や、新宿昭和館と横浜シネマ・ジャック、ラピュタ阿佐ヶ谷などでのクラシック映画の方が忙しかった。もちろん新作も。
昭和館で東映映画『不良姐御伝・猪の鹿お蝶』('73)を初めて見たが、主演の池玲子のスッポンポンの見事な立ち回りを見て興奮した。あの全裸アクションのエロティシズムは昨今のピンク映画では味わったことがない。優れた技斗師や大部屋俳優を抱えたメジャー会社だからできた芸当かもしれないが、エキストラの数にこだわる池島ゆたか監督みたいな人もいるのだ。その気になればピンクでもできないことじゃない。『新・したがる兄嫁 ふしだらな関係』(2001)では上野俊哉監督が階段落ちのスタントを盛大に演出していた。楽しそうだったね。演技力、女としてのお色気度が足りない女優さんを出さざるをえない風潮も見えるピンク映画界だが、それを補うために、時にはアクション・ピンクもあっていい。渡邊元嗣監督が『ピンサロ病院3 ノーパン診療室』で格闘技の真似事をやっていたような記憶もあるが、ハード版も見たいものだ。個人的には佐々木ユメカを指名したいが、アクションはどうか? スタイリッシュにキメるなら時任歩もいいが、食欲旺盛なつまらないタレントになっちまったようで残念だ(昨年、快楽亭ブラックさんの芸術祭受賞パーティで見せた夜這いのコントの演技が、あんな方面に行くとはね…)。
さて、僕のお気に入りの佐々木ユメカ。彼女は演技の精進に燃えているようだ。今年に入って意外な映画で彼女を見た。1月に渋谷のユーロスペースで公開された<1st
Cut 2001>での1本、『ふくしゅう』に彼女はジーコ内山と一緒に出演していた。映画美学校の生徒たちが作った卒業短編の1本で、16mm撮影38分の尺だがカット数が多く、シロウト俳優では短い撮影日数が到底こなせないという理由で俳優事務所にもオーディションの声をかけたところ、ユメカたちが応募してきたのだと言う。もちろんノーギャラ。ユメカの役は主人公の友人で、金持ち相手の愛人稼業に精を出している“あき”という娘。ピンク映画で鍛えたキャリアは一発撮りの現場で充分に発揮されたいた。もう少し妖艶さが欲しかったが、そこは監督の演出力と、時間に限りのある一発撮りのせいなのだろう。それ以上は望まない。
将来が未知数の卵たちの映画に率先して出演する姿勢はとてもいいことだ。映画人の育成と発展のためにプロの俳優が自主映画に出演するのは万国共通のことだが、本来は請われて出るケースが普通だ。自分の意志でオーディションに応募するとは勇気のあることだと思う。生活にも関わることだしね。この点では、監督の金子裕昌が「ありがたいことです」と恐縮していたのが印象的だった。
この<1st Cut 2001>には伊藤猛が主演した『明るい部屋』も出品されていたが、見る機会がなかった。彼は昨年、パイオニアが製作したデジタルシネマ『Energy』に出演していたと思う。東京国際映画祭のイベントの一環で開催されたデジタルシネマのシンポジウムを聞くために渋谷クロスタワーまで出かけたのだが、サンプルとしてパネルされた3本の中で、唯一の完結作品として上映されたのが『Energy』。主人公の草野康太を追跡する3人組の1人としてスクリーンに写った彼を見て、かなり焦った。全く予想外の登場だったからだ。最近はあまりピンク映画に出演していない伊藤だが、彼もまたピンクとは違う方向に積極的に進出しているのである。
どちらにしろ、ユメカも伊藤も、味のある役者になってほしいものだ。
と言うことで、今回は池島ゆたか監督の新作『OL性告白 燃えつきた情事』と旧作『こんな、ふたり』('98)のカップリングと、川村真一監督の『愛染恭子むさぼる未亡人』を取り挙げる。
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