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第6回「衣装と小道具の貸し出し専門店」

第5回「パリの観客と日本映画の「今」」

第4回「割引パスと託児システム」

第3回「ヴィレット公園の野外上映」

第2回「検閲システムと不運な処女作」

第1回「フランス映画料金あれこれ」
 




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『双生児』を観たマルクさんは言った
「うーん、まあまあですね…」


 これだけ日本映画が公開されるようになったとはいえ、観客は本当に入るのだろうか? 果たして新しい才能を一般のフランス人たちはどう受け入れているのか? 11月のはじめに公開された『双生児』の配給元HAUT ET COURTの担当者は『鉄男U BODY HAMMER』の時から塚本監督の才能に惚れているのだそうだが、「新しい作品、新しい監督に出会いたい、と願う日本映画ファンの数は増えている」と自信をもって言い切る(まあ、それを信じなくては配給なんてできないよね)。

 また、今年のカンヌで注目を浴び、もうすぐ公開される『EUREKA(ユリイカ)』の配給元SAGITTAIRE FILMSは「3時間半という長さがハンディになるとは思わない。作品が本当にいいのならば、観客はついてくるはずだ」と強気な発言をしている(…これも当たり前といえば当たり前)。

 はじめに挙げたクラシック映画を専門に取り扱うALIVEに勤めるパスカル・ヴァンソンは、私がALIVEのために字幕を何本か引き受けて以来の友人で、以前は私が帰国するたびに「何を観た?新しくて面白い監督を見つけなかった?」と聞かれたものだが、今は日本映画の公開の度に「面白いかな、どうだろ?」と私のほうが相談するほど自称、他称ともに「日本映画びいき」に変貌してしまった。仕事でクラシック作品ばかりを扱っているので、逆に新しい監督、作品に興味津々で紹介されるとすぐ観に行くし、監督のプロフィールなどについても詳しい。パスカルはカンヌで見逃した『EUREKA(ユリイカ)』をプレス用の試写会に紛れ込んで観に行き、大ショックを受けたと、そしてあんな凄い作品を撮る青山監督は大物になるだろう、とも語る。




『双生児』のロビーカード

 塚本監督の『双生児』は、公開されて3週目にして2館だけの上映になってしまった。しかも毎日ではない不規則な上映という厳しい状況に置かれている。それでもなんとか映画館を出てきた観客をつかまえて話を聞いてみた。学生のマルクさんは「はじめはいいんだけれど、後半にペースが落ちて退屈した…」と総合して「まあまあ」の意見。やはり学生のジュリアさんは「映像がきれい。それから衣装も…」と話よりも美のほうに惹かれて「良かった」と判断。二人とも北野武を知っていると答え、黒沢清は「名前だけ」とジュリアが、「『CURE キュア』は見た」とマルクが答えてくれた。

 才能が揃っているのならば、日本映画の未来は明るいはず。でも国際映画祭で評価を受けた作品だけではなく、発表する作品すべてがフランスで公開されるようになる「作家」が今の日本にいったい幾人いるのか…。いい監督を生み出すにはまず日本映画を日本で流行らせることが先決だ、と言われそうだが、こうなると「卵か鶏か」の押し問答になってしまう。うーん、最新の情報を教えてくれる人誰かいませんか?




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