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2000.12.26 UPDATE
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木村ひろみ
text & photo by Hiromi Kimura
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キタノの次はやっぱり黒沢清
その熱狂ぶりは別格である
フランスでは数年前まで日本映画といえば、黒澤、溝口、小津で支えられていた。1990年代のはじめ、パリにあるALIVEという会社が松竹から大量の日本映画を買い付け、上記の御三家以外にも成瀬、市川、木下や『子連れ狼』、『座頭市』などのシリーズものまでがパリで公開されるようになった。
ALIVEは映画が全盛期だった頃、つまり日本映画の古典と近代までに的を絞り現在も活動を続けている。まだまだ紹介したい作品がたくさんあるらしい。日本映画のクラシックは奥が深いということなのだろう。数年前まで、映画学校の学生だった私は、日本映画の「今」がフランスで紹介されないことに一種の不満を感じていた。フランス映画は作家の層を年々厚くし確実に世代交代をしていくのに、日本映画は過去の栄光に頼って生きているような気がしてならなかった。
それが変わったのは、1995年の5月に北野武の『ソナチネ』が一般公開され絶賛されてからだ。黒澤、今村、大島などの大ベテラン以外の新しい「作家」が登場した、と日本映画が再び脚光を浴びはじめた。北野武の知名度が本当に確立されたのは、ヴェネチア映画祭で『HANA-BI』が賞を獲得してからのことだ。黒澤がこの世を去った現在では、今村、大島に続いて有名な現役日本映画監督は北野になる。

『双生児』を公開する数少ない映画館の外観 |
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では北野武の名が定着したとなると、次に続く日本映画の知られざる才能とは誰だろう?
北野以後にフランスで紹介された監督の中で、いちばんはじめに名が挙がるのはやはり黒沢清だ。1997年の秋の文化フェスティヴァル(FESTIVAL D'AUTOMNE)で初めてフランスに紹介された黒沢清は、それ以後ヨーロッパの各種映画祭でキャリアをつんだ後、昨年11月に『CURE
キュア』で本格的な興行デビューを遂げた。ル・モンド紙は「黒沢清、才能の怪物」という見出しをつけ、リベラシオン紙は「日本インディペンデント映画界の新人との出会い」と大きく取り上げた。
もちろん黒沢清の前には小栗康平、河瀬直美などカンヌやベルリンの国際映画祭で評価された監督たちがいるが、黒沢に限っては熱狂の加減が違うというか、その出現を「待っていました」といわんばかりの歓迎をもって迎えられた感がある。日本映画が生まれ変わった、日本映画に活気がよみがえった、とはやしたてたプレスまであった。
今年はどうだろう。黒沢フィーバーが落ち着き北野人気も小休止に入り、1月から5月にかけてアニメの大御所・宮崎駿の『もののけ姫』、塚本晋也の『BULLET BALLET』、小泉堯史の『雨あがる』、諏訪敦彦の『M/OTHER』、大島 の『御法度』が公開された。単純に計算しても1ヶ月に1本の割で新しい日本映画が公開されている。ペースとしてはまあまあだといえる。
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