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映画をスクリーンで、年間1000本も見る人間が、いまどき何人いるだろうか?
80年代なかば、脱サラの頃の自分は、1000本を越えていたときが確かにあった。90年代後半まで東京には、名画座や意欲ある自主上映が多数あり、お宝的に珍しい映画が、各地で盛んに上映され、1000本越える映画マニアが東京にかなりいた。しかし、2000年の今では少ないはずだ。映画の仕事で食っている自分も少し減った。それでも、1000本は越えないにしろ、仕事の参考とする以外はビデオで映画を見ることはない。それは1月の行動を参照してもらえれば分かると思う。
また、自分は、映画館だけで映画を見る人間ではない。スクリーンに映すなら、どこでも出かける。なぜなら映画館だけでは、ビデオで映画を漁っているマニアやコレクターさんに勝てないし、「昔はよかったなあ」と言っている往年の生き証人とも口が聞けない。フランスやアメリカのフィルム・ライブラリーに出かけて、ビデオにもなっていないような珍品をドッサリ見て帰ってくる優秀な学生さんにも負ける。これらのコアな人たちに拮抗するには、まず見続けること。情報を得ること。時間と金を作って現場に行くこと。そして、見せてくれる人たちと話をすること。そんなことの繰り返しが、今、映画の業界に携わっていることの役に立っている。
大井武蔵野館はじめ、多くの名画座や自主上映が無くなった2000年現在、映画行脚は面 白くない。昨年出かけた山形ドキュメンタリー映画祭や京都映画祭は今年はない(隔年開催である)。そんな今年にこのコラムの依頼を受けたのは皮肉だが、20世紀最後の年、自分がどんな映画とスクリーンで遭遇できるか記録するのも一興かもしれない。
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