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第12回(最終回)●2000年12月1日〜12月31日の記録

第11回●2000年11月1日〜11月30日の記録

第10回●2000年10月1日〜10月31日の記録

第9回●2000年9月1日〜9月30日の記録

第8回●2000年8月1日〜8月31日の記録

第7回●2000年7月1日〜7月31日の記録

第6回●2000年6月1日〜6月30日の記録

第5回●2000年5月1日〜5月31日の記録

第4回●2000年4月1日〜4月30日の記録

第3回●2000年3月1日〜3月31日の記録

第2回●2000年2月1日〜2月29日の記録

第1回●2000年1月1日〜1月31日の記録
 




2000.03.01 UPDATE



はじめに
文・表作成=加藤久徳(映画獣)
text by Hisanori Kato

 映画をスクリーンで、年間1000本も見る人間が、いまどき何人いるだろうか?

 80年代なかば、脱サラの頃の自分は、1000本を越えていたときが確かにあった。90年代後半まで東京には、名画座や意欲ある自主上映が多数あり、お宝的に珍しい映画が、各地で盛んに上映され、1000本越える映画マニアが東京にかなりいた。しかし、2000年の今では少ないはずだ。映画の仕事で食っている自分も少し減った。それでも、1000本は越えないにしろ、仕事の参考とする以外はビデオで映画を見ることはない。それは1月の行動を参照してもらえれば分かると思う。

  また、自分は、映画館だけで映画を見る人間ではない。スクリーンに映すなら、どこでも出かける。なぜなら映画館だけでは、ビデオで映画を漁っているマニアやコレクターさんに勝てないし、「昔はよかったなあ」と言っている往年の生き証人とも口が聞けない。フランスやアメリカのフィルム・ライブラリーに出かけて、ビデオにもなっていないような珍品をドッサリ見て帰ってくる優秀な学生さんにも負ける。これらのコアな人たちに拮抗するには、まず見続けること。情報を得ること。時間と金を作って現場に行くこと。そして、見せてくれる人たちと話をすること。そんなことの繰り返しが、今、映画の業界に携わっていることの役に立っている。

 大井武蔵野館はじめ、多くの名画座や自主上映が無くなった2000年現在、映画行脚は面 白くない。昨年出かけた山形ドキュメンタリー映画祭や京都映画祭は今年はない(隔年開催である)。そんな今年にこのコラムの依頼を受けたのは皮肉だが、20世紀最後の年、自分がどんな映画とスクリーンで遭遇できるか記録するのも一興かもしれない。




第1回●2000年1月1日〜1月31日の記録
日付
通し番号:題名 ※(V)はビデオのスクリーン上映 見た場所
1日
1.
ゴースト・ドッグ 日比谷シャンテシネ1
6日
2.
3.
愛と憎しみのデカン高原
リーロック伝 大いなる野望PART1 炎の青春
キネカ大森2
キネカ大森2
7日
4.
5.
6.
救命士
ルックソー・ジュニア
トイ・ストーリー2 
ブエナビスタ試写室
ブエナビスタ試写室
ブエナビスタ試写室
10日
7.
ラグラッツ・ムービー(字幕版)  有楽町スバル座
11日
8.

9.
バーバリ・コースト(35)監督:ハワード・ホークス 出演:エドワード・G・ロビンスン
暁の偵察 (30) 監督:ハワード・ホークス 出演:リチャード・バーセルメス
フィルムセンター大ホール

フィルムセンター大ホール
12日 10.
11.
12.
平成金融道マルヒの女
九ノ一金融道
フェリシアの旅 
東映第1試写室
東映第1試写室
ヘラルド試写室
13日 13.
14.
15.
風雲 ストームライダーズ
発狂する唇
映画人大いに語る カメラマン宮川一夫(90・V)テレビ・ドキュメント番組 出演:宮川一夫 勝新太郎 他
映画美学校試写室
映画美学校試写室
映画美学校試写室
14日 16.
17.
18.
シビル・アクション
親指トムの奇妙な冒険
踊り子行状記(55) 監督:安田公義 出演:山本富士子 市川雷蔵
UIP試写室
シネカノン試写室
横浜シネマジャック
16日 19.

20.

唄まつりかんざし纏(58) 監督:深田金之助 出演:美空ひばり 東千代之介
べらんめえ芸者(59) 監督:小石栄一 出演:美空ひばり 江原真二郎      
両国公会堂

両国公会堂
17日 21.
22.
23.
うずまき
破線のマリス
ラブ・オブ・ザ・ゲーム    
東映第1試写室
東映第2試写室
UIP試写室
18日 24.
25.
26.
27.
007ワールド・イズ・ノット・イナフ
ブリスター
ガンダーラ 
オール・アバウト・マイ・マザー
イマジカ第1試写室
シネカノン試写室
シネカノン試写室
徳間ホール
19日 28.
29.
30.
31.
釣りバカ日誌11
ラスト・ハーレム
サンデイ・ドライブ
ヴァージン・スーサイズ
松竹試写室
徳間ホール
映画美学校試写室
メディアボックス試写室
20日 32.

33.
34.
35.
ブロンド・ヴィナス(32) 監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ 出演:マルレーネ・ディリッヒ
ロゼッタ
ニコラ
マグノリア
映画美学校試写室

映画美学校試写室
映画美学校試写室
渋谷パンテオン
21日 36.
37.
38.
アカシアの街
ジェネックス・コップ
ならず者(43)監督:ハワード・ヒューズ 出演:ウォルター・ヒューストン
俳優座劇場
ソニー試写室
フィルムセンター大ホール
22日 39.

40.
果てしなき蒼空(52) 監督:ハワード・ホークス 出演:カーク・ダグラス
ブルー・ストリーク
フィルムセンター大ホール

ニュー東宝シネマ
23日 41.

42.
魔法の剣(61) 監督:バート・I・ゴードン 出演:ベイジル・ラスボーン
忍者と悪女(63) 監督:ロジャー・コーマン 出演:ヴィンセント・プライス
麻布区民センター

麻布区民センター
24日 43.
44.
45.
46.
コンフェッション
GEDO 外道
銀河系(67)  監督:足立正生 出演:花上晃
堕胎(66) 監督:足立正生 出演:寺島幹夫
GAGA試写室
東映第1試写室
TCC試写室
TCC試写室
25日 47.
48.
49.
オーディション
静かなるドンTHE MOVIE
アメリカン・ビューティ
イマジカ第1試写室
KSS試写室
丸の内ピカデリー1
26日 50.
51.
52.
53.
美しきセルジュ
愛は波の彼方に
パゾリーニ・スキャンダル
エア・スピード(V)
キネカ大森2
キネカ大森3
映画美学校試写室
徳間ホール
27日 54.
55.
56.
真夏の夜の夢
ラビナス 
ブッチャー・ボーイ 
FOX試写室
FOX試写室
徳間ホール
28日 57.
58.
59.
ヴァン・ダムのコヨーテ
太陽の誘い
無問題
ヘラルド試写室
メディアボックス試写室
新宿シネマミラノ
29日 60.

61.
カメラを持った男(29) 監督:ジガ・ヴェルトフ 出演:ミハイル・カウフマン
幸福(34) 監督:アレクサンドル・メドヴェトキン
アテネフランセ文化センター

アテネフランセ文化センター
30日 62.
63.
64.
65.

66.
67.
煙突屋ペロー(30) 監督:田中喜次 アニメーション
新説カチカチ山(36) 監督:市川崑 アニメーション
動絵狐狸達引(38・V) 監督:大石郁雄 アニメーション
オモチャの絵本シリーズ第3話 絵本1936年(36・V)監督:不明 アニメーション
おしっこ(?・V)監督:田中喜次 アニメーション
深海からの物体X
川崎市市民ミュージアム
川崎市市民ミュージアム
川崎市市民ミュージアム
川崎市市民ミュージアム

川崎市市民ミュージアム
俳優座トーキーナイト
31日 68.
69.
70.
ヒマラヤ杉に降る雪
ボクの、おじさん
メトレス
UIP試写室
松竹試写室
松竹試写室




 1月は、日本の役者が外国で仕事をした映画が印象的だった。『風雲 ストームライダーズ』の千葉真一、『ジェネックス・コップ』の仲村トオル、『愛は波の彼方に』の石田ひかり、『無問題』の岡村隆史、『ヒマラヤ杉に降る雪』の工藤夕貴、そして、日米合作の『GEDO 外道』の中条きよし、松田聖子、清水健太郎。あとの2本を除けば香港映画の出演だ。

 この中で最良の仕事をしたのは千葉真一で、おのれの武術で天下支配をもくろむ野望の男を、悪の魅力を漂わせて好演している。60才の彼がワイヤーで吊られ、息子のようなアーロンたちとアクションを展開するのは驚異だ。往年のアクション・スターの凄味を見せられ、うれしかった。その反対が『GEDO』で中条の相手役を務めた松田聖子。演技力いまだ向上せず、色気まで男の中条の方が上だ。聖子は唄1本に絞るべきだと思うな。

 フィルムセンターでの[ハワード・ホークス監督特集]は2ヵ月目に入り、やや鎮静化したようだ。3年前の[ジャン・ルノワール監督特集]のときに大混乱したため、今回は日時指定のスタイルをとっており、場内満席にもかかわらず、空席が目立つのが面 白い。前売りを買っても当日に来られない人が多いからだ(完全着席制だから空席があっても当日券は販売しない)。日本ではジョン・ウェイン主演の『赤い河』(48)や『リオ・ブラボー』(59)などで、西部劇の得意な監督と思われがちなホークスだが、今回の特集で、実は喜劇の才人なのだとイメージを変えつつある。1月は4度しか出かけなかったから該当作はないが(今回上映38作品中、23本は以前に見ている)、人物描写 は至って喜劇的で、全部がコメディと見ても、おかしくない人だ。それは名匠ウィリアム・ワイラーの共同監督としてクレジットされた『大自然の凱歌』(36)を見てもわかる。ホークスが撮った前半部とワイラーが撮った後半30分とではタッチが全く違う。ワイラー篇には香気が漂う。これが宮廷喜劇なら香気が漂っても違和感はないが、ウィスコンシン州の山間部が舞台だ。ホークスの演出が正しい。しかし、どちらの演出が好きかと聞かれたら、ワイラーと答える。深みのある人間ドラマを撮れるワイラーの方が、腕前はホークスより上だと思うから。

 本当は日記風に書くはずなのに、プロローグが長すぎて、1月の行動スケジュールが何を意味するのか分からなくなってしまったようだ。最後に一つだけ紹介しておく。16日の両国公会堂の2本は、美空ひばり後援会主催の映画のことだ。死して10年経っても後援会の力は強く、ひばり主演作を何10本とニュー・プリントをおこして、毎年上映会を開催している。ひばりの映画は東映作品が多く、今のところ、後援会が独占的に上映権を握っていて、自分も毎年、かならず出かけている。

  名画座こそ減ったが、フィルムでファンに映画を提供する団体は意外と多いのだ。今後はこのコラムで逐次紹介していこうと思う。とにかく出かけることだ。

 来月は能書き抜きにストレートにいく。


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